精選女性随筆集・文春文庫を読みました。
本屋さんで有吉さんの「青い壺」が高く積まれているのを見て気になったので。
1968年、彼女37歳のときに訪れたニューギニアのルポルタージュが掲載されています。
こんなものも書かれていたんですね。というより、こんなところへ行っていたのですね。
現地の人に手を引かれてのジャングル行。1日11時間の徒歩。足の爪が剝がれるのは当たり前。足に食いつくキノコ。食事は大蛇。帰国後はマラリアで入院とエピソードに事欠かない。
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オホホと澄まして机に向かっているのではない。冒険家のイメージ。とても新鮮な有吉佐和子さん体験でした。
その有吉佐和子さんがファンだったのが岡本かの子さん。
神奈川県川崎の大地主の娘に生まれた彼女の気ままな文章にふっと惹かれます。
歯の治療がイヤで、にせの歯を自分のもののようにつきあうのは味気ない。と文章に。
眼が悪かったので半年ほど眼医者の家に預けられた話。
行きはいいのに帰りは食欲でがらっと変わる散歩の話。
イギリスのレストランでのトンカツを探す話。
自由でハツラツとしたコトバが流れているんです。
旦那さんは一平さん。そして息子さんは芸術家の太郎さん。うなずけますね。
さて、今度はお二人の真髄へと作品を尋ねてみようかな。扉は開かれましたので。