荒俣宏さん「ビジネス裏極意」1993年 マガジンハウス刊を再読しました。
商いは色香を感じさせ、文化的で、ドラマチックに。これが大切と書いてあります。
一番気になった抹茶の話を少し。
京都宇治の三星園上林三入本店のことが書いてあります。お茶には栽培できる限度があるので、初夏と秋口に売り出して、年明けの3月ごろにはなくなるのだそう。そこでブレンドなどをして売ってしまうと「無茶」に商売をするとなり、「無茶をするな」が家訓になっているとのこと。
将軍から注文が入ると、茶壷に詰めて道中が始まる。100人以上が道中に繰り出されたとのこと。そこでできた歌が「ずいずいぶっころばし」で、「茶壷に追われてトッピンシャン」というのは、子供が外に出ないように家の戸を閉めておくこと。「抜けたらドンドコショ」は通り過ぎたらなんでもしていい。とのことだそうです。
最初に読んだ当時、関西出張の折にお店へ行き、試飲させていただきました。閉店ぎりぎりでしたが、ご主人は待っていてくださいました。
あれから30年。今の抹茶ブームは想像できませんでしたが、歴史は続くことが理解できます。日本人ならもっとお茶のこと知りたくなりました。コーヒーもいいけど、お茶を飲みながらゆっくりと体に吸収したいものです。
