塩野七生book

2500年経て響くペリクレスの演説

「ギリシア人の物語 Ⅱ 民主政の成熟と崩壊」塩野七生先生を読みました。

主人公は政治家、ペリクレス。ギリシア人は葡萄酒で酔っぱらうクセがあったらしく、家での飲み会は散々だったらしい。ただペリクレスはそれを嫌って主催することも相手の家へ行くこともなかったようです。

彼の時代にはあのアテネ・アクロポリスにあるパルテノン神殿がつくられるなど平和を享受していました。
哲学者プラトンはペリクレスを人心操作術の名人と評しています。

スパルタとのペロポネソス戦争においての戦没者追悼演説はいまでもヨーロッパの高校の教科書にも載っています。
内容をかいつまんでみます。

アテネはわれわれ自身が創り出したもので、他国を模倣したものではない。
すべての市民は平等な権利を持つ。われわれは自由を享受して生きている。
教養と娯楽を楽しむ機会は多く、戦時であろうと変わりなく実施されている。
アテネでは外から来る人に対して門戸を開放している。機会を与えることでより繫栄につながると確信している。
われわれは美を愛する。われわれは知を愛する。
アテネでは市民なら誰でも公的な仕事に就く機会が与えられている。
戦没者たちは、このアテネの栄光と繁栄を守るために、その身を捧げたのであった。
市民の日常生活が変わりなくつづけられるよう、全力をつくす。

その場に居たかった。その声に、トーンに目をつむって。まわりの反応も肌で感じたかった。
これが2500年前の演説。明日がありますね。歴史はその積み重ねとバトンの受け渡し。
どうか、平和なバトンでありますように。

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