「たいした問題じゃないが」イギリス・コラム傑作選 行方昭夫編訳 岩波文庫を読みました。

中に収められているルーカスのエッセイを少しご紹介します。
タイトルは「N一字の差」とうことで、ある場所の由緒ある邸宅を借り受けた人が、banker だったのですが、baker と新聞に載ってしまい、当事者の奥さんを含めた人々の間で新聞の訂正を巡ってもめる、というものです。
引退した銀行家はパン屋さんより邸宅を有するのにふさわしいのか、パン屋さんは邸宅をっては行けないのか。
先入観が行きかいます。
書かれた20世紀初めころはそうだったかも知れません。ましてイギリス。
でもパン屋さんがなければ人々は暮らしていけません。もちろん銀行がなければ困ります。
どっちも大切と思います。
お仕事はみな大変、大切、尊い。そんなそれぞれに敬意を払える世界が良いと思うんです。
もしかしたら新聞が世に問う実験をしたのかも、と思うとイギリス人のユーモアがわかります。