世界のリーダーは歴史をどう学ぶかbook

英国人と仕事をするコツ

「英国名門校で出会った最強のリベラルアーツ 世界のリーダーは歴史をどう学ぶか」松原直美氏を読みました。
イギリスの試験は自分の考えを示す記述式。義務教育を終える中学を卒業する16歳のときに、高校への全国共通試験があります。

歴史は選択科目の一つですが、例えば「毛沢東の中国について」という問題が。年代や人物の知識だけでなくその背景をも踏まえ自分で考えて結論を導かなければならないのです。

この積み重ねで、イギリスの人は歴史を学んで生かしているのですね。

授業では内容に応じて先生に「どうして」と質問が来る。答えた内容にも教師がどう考えるかを知りたくてさらに質問が来る。それで先生も気づく。皆も学ぶ。

文章を書くにはどうしたら良いか?という問いには「良い文章をたくさん読む」。事実、できる生徒は読んでいる。

試験の解答が記述式なので、結果がわかるのに数か月かかる。待つ忍耐力と自制が生まれる。人格形成にもなります。そして成績が良くても名門校の生徒は「ひけらかさない」。謙遜を貫くのです。

イギリス人は議論が好き。それは一緒に良い答えを探すプロセスとして考えているから。人とは違う意見に価値があるのです。感情的にならずに意見を言う、聴く。

本書では、「世界でもっともバランス感覚を持っているのはイギリス」と教育者の藤原正彦先生も言っておられます。

私は英国人と仕事をしたことがあります。当時、ある案件でこれは必要だからとただお願いしても何も動いてはくれませんでした。そこでどうして必要なのか、何故なのか、そうすれば未来はこうなると拙い英語で訴えたものでした。やっと認めてくれた時、英国人が動いてくれた時、嬉しかったのを覚えています。英国が好きになった瞬間でした。

ありがとうございました。

この本に出会えて、より深いコミュニケーションをとりたくなりました。

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