ちくま文芸文庫を読みました。
中を少しご案内しますと、
「徒然草」のなかで、住まいはそのむねを夏とすべし。
明治以降の近代化は、日本の住まいの知恵を消してきた。居住者を容れ物の方に合わす、という形態をとってきた。
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」が出てくる。暗い部屋に住んだ先祖は陰影の中に美を見出し、利用するに至った。日本座敷の美は陰影の濃淡に依って生まれている。とあります。
陰っていろいろ考えることができます。
いまのマンションは一切陰を言わずに明るさだけを唱っているようです。
たまにはキャンドル。一緒にいる人と親密になれること請け合いですよね。
解説の須賀敦子さんの文章は必読。
近代、日本人が住んできた心のありようが見事に描かれています。