6年生の頃だったように思う。晴海へ家族4人で中華人民共和国展覧会に行った。父が行きたかったのだろう。たしか東京国際見本市会場でした。
切り絵や彫刻など技巧を凝らした物品がならんでいたのをかすかに覚えている。そのあと外で夕食ということになって当時営業されていた自由が丘のとんきさんに行った。中国料理ではなかったんです。
階段を上がって2階の座敷に4人座り、初めての外食でのとんかつでした。キャベツの千切りのテクニックに感動したのを覚えています。昼間に見た中国の切り絵のような。
そのあとにいただいたロースの衣の独特な薄さと肉離れの良さに、家とはだいぶ違うなあ、同じとんかつなのかと頭をひねりながら箸を動かした記憶があります。
豚肉は脂っこくなく柔らかで美味しい。これがとんかつか、とあっというまにご飯おかわりしました。挙句の果てにお肉が足りず、ヒレもいただきました。今ではありえないダブルの注文。
親はやや呆れていたことでしょう。美味しかったんだモン。
それからとんきが私のとんかつの基準になりました。困りました。これは怖いことです。だって最初からピラミッドの上に行ってしまったのですから。フツーは出世して、階段を上るものだろう。と。
さらに不幸なことに大学が目黒でしたので、バイト代が入ると目黒の本店さんへお邪魔しておりました。こうなるとますます始末がつけられません。
だからそのあとに行った横浜の老舗有名とんかつ店は生意気にもあまり口にあいませんでした。
まい泉さんでさえ、美味しいけど別物のとんかつだと思ってました。
とんかつの美味しさを本当に知ったのは社会人になって以降です。
和幸さん、好きです。ご飯おかわりできますからね。最近では上野のぽん多さんが良かったです。女性の方もやさしくご対応していただきました。蒲田の丸一さんは女性客が多くて驚きました。とんかつ行くのですね。
ぽん多本家 (ぽんたほんけ) – 上野広小路/洋食 | 食べログ
銀座の不二さんはソースが最高。これだけでもおすすめです。
とんかつ不二 (とんかつ・ふじ) – 銀座/とんかつ | 食べログ
揚げ続けて半世紀 銀座 とんかつ不二 – 左利きの星に生まれて
いまでは揚げるスタッフの方も日本人ではないお店もあるようで、
インターナショナルなとんかつとの出会いを楽しみたいと思います。
