以前ジョン・ロブの仕事をしていた関係で、当時エルメスの4代目当主ジャン・ルイ・デュマさんとお目にかかり、握手をしたことがありました。手と眼差しが温かかったなあ。デュマさんはバーキンさんへオリジナルのバッグを作ったかたとして、とくにその名を知られています。
そのデュマさんがトップと話をしたときにバッグについての話題になったそうです。
｝「世界には２つ素敵なバッグがある。ひとつは我が社、エルメス。
もうひとつはベルギーのデルヴォーです。」
当時、デルヴォーを取り扱っていましたのでカンゲキでした。当主のデュマさんが認めてくれたハンドバッグ。良いものを素直に良いと認める姿勢にエルメスの懐の深さを感じたエピソードでした。
素材、縫製、佇まい。どれも洗練されている。ただスタイルを完成させるには、使う方、持つ方のスタイルとセンスが求められる。エルメスもデルヴォーも同じです。