town銀座foodパスタ

ソフトめんから始まった麺ロード

小学校の給食にソフトめんというのがありました。横浜市です。

ひとりひとりに温かい麺がビニールのパックに入って配られる。めいめいで開封して器に移して食べていたような記憶があります。

パックを開けるのをミスると、あらぬ方向へ飛び出したり、器への角度が合わないと器とともにひっくり返ったり、ランチタイムがピンチタイムに。ちょっとした騒ぎになっていました。でもみなハプニングを楽しんでいたような緩い時間でした。

毎月一回だったでしょうか。事前に献立表でチェックしていて、その日は休むまい。たとえ休みでも昼だけは学校に行くぞと思ったものでした。

麺は白くやや太く、ソフトですのでもちろんカタくありません。カタさは選べません。有無を言わさず月一回、いつものコッペパンとマーガリンは違ってお昼のお楽しみ給食でした。

あのソフトな食感は他のどの食べ物にも似てません。家のそばともラーメンとも一線をかくすもの。

刷り込まれてました。立派な食育として。体に染み込んだ記憶はなくなりません。

だからでしょうか、喫茶店のナポリタンや銀座の炒めスパゲティやさん、ジャポネなどが人気なのは。
お客さんを見てみるとあの時の小学生たちが集っているような気がします。

カラダと舌で味わったあの頃の味。またここでふたたび味わえる悦びを噛み締めているのかな。

アルデンテ? それは別物です。イタリア人にはわかるかな。この魅力。

麺は世界を繋いできた食べ物。いつかパックから出されたあの白い麺の先がローマに辿り着く日が来るやかもしれません。

昔、ローマの食堂で食べたボンゴレビアンコは貝の砂がすごかったなあ。ジャリジャリ。
前妻の生ハムとメロンがおいしくて、さすが本場と頷きながら白ワインとともにいただいたものです。

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