作家の開高健さんの文章に新聞の面白さについて触れているものがあります。
新聞は事実を伝えるだけでなく、時には批判精神が必要でコラムが大切と。
その中で薄田泣菫さんの「茶話」を挙げています。彼の文章を読むためにみんな新聞を読んでいたとのことです。
アマゾンで読んで見ました。少し紹介します。
ある高名な美術家が駅のホームですることがなくて雲を見ていた。
色々な雲の動きを楽しんでいたのだが、貨車が駅に入って来てしまい、彼の視界を遮ってしまった。
がっかりしている所に駅員がきて、彼の行動に気づいて貨車を退ける、と言うエピソードです。
筆のチカラもあるのでしょうが、そのお話しを拾える、出会えることが素敵ですね。
世の中に伝えたいという気持ちがあったからこそ、面白いネタが来るんですねえ。
世の中をきっと飛び切りやさしい眼差しで見ていたのでしょう。
彼の目線で新聞が読みたくなる。
わかるような気がしました。良い読者が良い新聞を支えていたのですね。
