第２次世界大戦中、スイスでドイツ劣勢の情報を得て、日米和平工作に奔走した日本人武官、海軍中佐の藤村義朗さんのドキュメンタリー。
大森実さんの「戦後秘史」著作をもとにテレビマンユニオン、伊丹さんらが制作しました。1975年12月日本テレビで放映されました。そのとき伊丹さんは42歳。
藤村さん役を仲代達矢さん。伊丹さんは番組のロケに同行して案内役として登場します。彼の英語がこなれていて上手い。これは惚れます。
日米の間には和平工作のルートがあり、米OSSの大物アレン・ダレスに会えたのに、至急の電報を東京へ35通も打ったのに音沙汰なしの軍令部。当時の日本の情報収集力・分析力のにはほとほと。
もし、うまくいっていれば、原爆投下がもしかしたら避けられたかもしれない。そしたら今の日本はどうなっていたか。伊丹さんのナレーションが最後に、観る者の心を揺り動かします。必見です。
いまは横浜・日本大通の放送ライブラリー（８階）で無料で見ることができます。74分のドキュメンタリー。
木曜スペシャル 太平洋戦争秘話 ～欧州から愛をこめて～ 緊急暗号電「祖国ヨ和平セヨ！」 – 放送ライブラリー公式ページ
1963年の連載エッセイ「ヨーロッパ退屈日記」では読めません。ここには、1984年「お葬式」1985年「タンポポ」へと続く、伊丹さんがいました。
