鎌倉駅徒歩7分の鏑木清方記念美術館へ。夏の企画展「夏の日のきらめき」を観に行きました。
明治、大正、昭和に活躍した日本画の大家。また美術家ならではの感性が文になった随筆家としても秀逸でした。
小町通りから左にひとつ折れただけで訪れる静謐な一角。
まるで先生のお宅にお邪魔したような日本家屋。お手入れが行き届いております。玄関から母家への道程は静かに歩きたくなります。入館料は300円。
午前中なのかお客さんはちらほら。ゆるりと見ることができました。
お仕事部屋が再現されています。壁には尾崎紅葉先生の揮毫が飾られて。背筋伸びます。いいストレッチです。
外で汗を流す、屋内で寛ぐ、朝露に佇む。趣の違う和服美人にたくさん出会うことができました。
ポスターのメインビジュアルにもなっている娘さんとの朝の散歩を描いた「朝涼」が見たかったのです。夏の水で洗ったような瑞々しさ。そしてそして長方形のトリミングはいまのSNSの画角にマッチしていて、この絵を目の前にして、描かれた大正と令和を行ったり来たりする不思議な感覚になります。
ご自身がデザインされた浴衣も展示されていて、才能の多彩さも感じることができました。
先生の使われた顔料の見本が飾られていましたが、素材以上の多くの色を合わせる、組み合わせることで自然を生み出していた。その色を見て取れるかは、見る側の感性に問われているようです。