ホメロス イリアスbook

3000年前の美女争奪戦@トロイヤ

「ホメーロスのイーリアス物語」岩波少年少女文庫読みました。

古代ギリシアとトロイヤが戦ったトロイヤ戦争のお話です。10年間の戦いの発端は美女を巡るトラブルでした。

ギリシアにヘレネーという美人がいました。全国から我こそは、と男たちが求婚のため宮殿に詰めかけるほど。そこで男たちは相談します。ヘレネー自身に相手を選んでもらい、だれと結婚してもみんなで応援するという誓いを立てます。おおー、フェアプレイの精神。

ヘレネーはスパルタの王、メネラーオスと結婚しました。だが、その美女を狙う男が。別の国、トロイヤのパリスでした。スパルタの王宮に忍び込んで王妃ヘレネーを連れ去ります。

怒ったメネラーオスは兄と仲間とともに奪い返しに行きます。その兄はミュケーナイの王、アガメムノン。戦争ではギリシア総司令官となり、トロイヤとの戦争を繰り広げます。

「イリアス」は10年間続いた争いの9年目から始まる物語。始まっってから年月もたっているので間延びしているかなと思いきや、現場はずっと熱い。限りない漢たちの戦いと心模様をひとつひとつと描いています。

両軍の戦いだけでなく、組織内のあるあるも。ギリシア軍はアガメムノンが主人公アキレウスの女性奴隷を横取りしていがみ合いに。英雄の誉れ高いアキレウスは戦いを放棄してブラブラしてます。

やがてジリジリと追いつめられるギリシア。アガメムノンがアキレウスのもとに使者を送り、譲歩してもアキレウスは動きません。ギリシアは絶対絶命に。ところが、アキレウスは幼馴染で親友のパトロクロスが戦いでやられてしまい、敵討ちをすべくついに戦線に復帰。見事トロイヤの総司令官を討ちます。

この物語は文字がないころなので、吟遊詩人が語って人々に聴かせたネタが元になっています。

3000年前でも美人をめぐっての争いはどこでも変わりませんね。

小学校の時、クラスに美人がいました。大人びた顔にスカートが似合うスタイル。ほかのクラスの男子が教室に観にくるほどで、みんな彼女と握手をしたがり、その手をなかなか離さなくて困っている、という話を聞きました。いやー、いっしょじゃん。

この物語にある、たとえ自分が選ばれなくても、みんなで助けるという姿勢に心を打たれました。この精神がいまに受け継がれているのでしょうね。紳士には。

大人になったらの改めての一読がおすすめです。心への響き方が違うでしょう。

「イリアス」が書かれたのが紀元前8世紀ごろと言われています。ギリシア最古の文学作品。男と女と争いのストーリー。人は人が出てくる物語が気になる。だって人はつながりで毎日生きているわけですから。

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