先日、新横浜へ行く電車で寝ているひとがいました。早朝でしたので座席は空いています。両手を広げてノビノビ寝てます。いびきも少し。
両方の手にはそれぞれ財布が握られていたのでしょう。片方の手からは財布が離れて床に落ちています。危ない。
電車は走り、持ち主は舟を漕いでいます。
どうしよう。知らせなきゃ。ワタシは次で降りるんです。駅が近づく。まだ起きない。舟は沖へ。まだ起きない。
降りる間際に、とんとんと肩をたたき、財布を握ってもらいました。
持ち主は微かに微笑んだような。夢の中で笑っているような。
こちらは役目をはたして安心です。電車を降りることができました。
良い夢の続きを。そして財布は大切に。微笑んでいたのは、財布が戻ったから。それとも夢の中でシアワセだったから?