堀田善衛book

ゴヤⅣ 堀田善衛先生

ゴヤはかつておれには師匠が三人あった。べラスケスとレンブラントと自然だ。と言っていたそうです。
それらの教えを得て、自分なりに観て、探り、掴んで昇華したかたちを築いて貫き通したスタイルだったのでしょう。

スペインといえば闘牛ですが画集にはさまざまなシーンを描いています。そこにはスペイン流の人生があるのですが、見世物としてできれば見たくないのもあります。現地の太陽の元では違うのでしょうが、こちら日本では。うーん。

ゲーテは80歳からペルシア語を学びはじめたそうですが、「おれはまだ学ぶぞ」と、ゴヤもリトグラフの技術を学ぼうとパリへ行っています。70歳になっても旺盛です。

そしてマドリード郊外に構えた自宅に掲げた「黒い家」シリーズ。なかでも注目は「犬」。何を見ているのか。過去?現在?未来?それとも。

最後に「ボルドーのミルク売り娘」に出会って。女性を、人間を、生を、スペインを愛し続けた画家を、スペインを少し理解することができました。

堀田先生、ありがとうございました。