金に目がない、女好き、酒好き。放蕩オヤジをめぐる3兄弟のそれぞれの葛藤の物語。ドストエフスキー自身の人生を投影したかのような小説です。
彼は裕福な家庭に生まれながら18歳の時に父が殺されてしまいます。父は農奴に殺されたのではという噂が立ちます。
その後作家としてデビューしたものの社会主義運動に携わり、死刑を宣告されます。ただ恩赦に助けられ4年間シベリア抑留されます。この経験が色濃く反映された小説といえます。
メインアクトの放蕩オヤジの名は、フョードル。なんとドフトエフスキー本人の名前でもあります。これだけで何かないわけがありません。
キリストがスペインにあらわれるところが印象的でした。