bookそれで君の声はどこにあるんだ? 榎本空

「それで君の声はどこにあるんだ」榎本空さん

黒人神学から学んだこと。とサブタイトルが。
黒人神学の泰斗に学ぶために、ニューヨークのユニオン神学校に学んだ日々のことが書かれています。

内容を少し。
イエスが十字架にかけられたのが金曜日。復活したのは日曜日。そのあいだは暗い土曜日。アメリカの黒人が過ごしてきた400年は黒人の危機であり続けた。

悲しすぎます。土曜は少なくとも楽しい日ではないの? 私のイメージとは反対でした。いまでも癒されることのない日々。なかなか理解しがたいです。

黒人の音楽は素晴らしいし、映画だって。昔、ニューヨークでスパイクリー監督の「モーベターブルース」をマンハッタンの映画館で見ました。よかったよかったと思い、映画館の室内が明るくなった時、あっ、と叫んでしまいました。アジア人が自分だけでした。あとはすべて黒人のお客さま。恐縮しながら映画館を出たのを覚えています。アポロ劇場ではスタッフの方が愛想よくウエルカムなカンジでした。「よく来た。よく来た。楽しんでいってくれ。」そうして劇場にたむろしている若い黒人の兄ちゃんをお客さんに邪魔だと冗談で追っ払ってました。

肌の色の違いなんて関係ないと思います。みな同じ赤い血が流れているんだから。
世界の人はみんな誰かに親切にするために生まれてきたのだから。

おとなりに手を差し伸べる。そしてその隣がまたその隣へとつながる。そして、、、、その手が海を越えて。
そうして恩を送っていくんです。どこまでも。